ちなみにタイトルにあるウルルというのは原住民(アボリジニ)の言葉でエアーズロックのことを指します。
有名なテレビ番組「ウルルン滞在記」はここから取られた。というわけではないです。
ウィキペディア大先生によると、「ウルルン」とは「出会う」「泊まる」「見る」「体験」の最後の文字を一文字ずつとって作った造語だとか。
俺、勝手に韓国のウルルン島からきてると思ってたよ。
話を戻しまして、ウルル近辺は見渡すかぎり何も無い砂漠です。
地平線なんかも良く見えます。
草木は生えてることには生えていますが、ここまで成長するのにはとても長い年月を要しています。
ウルルに登る前にオルガ渓谷を訪れました。
ウルルが有名なのでこちらは知られていないことが多いですが、こちらも原住民からは聖地と崇められています。
このオルガ渓谷、原住民の言葉で「カタジュタ」と呼びます。ウルルとは異なりたくさんの山が寄せ集まっている様から「カタ(頭)ジュタ(たくさん)→たくさんの頭」という意味らしいです。
行ったらほんとによくわかりますが、何も無い砂漠地帯の中にドンと2つの大きな山があるのをみると、聖地と呼びたくなるのはごく自然なことだと思います。
カタジュタには風の谷と呼ばれる場所もあり、ナウシカの舞台のモデルになったのではないかとも言われています。
そしてここですね、ウルル。
夕焼け色に染まると真っ赤に燃え上がって見えます。
この赤い色は鉄分を多く含む砂質で、酸化しているため赤くなったそうです。
登山開始です。
ウルル登山者のことを原住民は「ミンガ(蟻)」と呼びます。
実際遠くから見ると蟻が山肌を這っているように見えます。
登山口には世界各国の言葉で登ることを奨めない注意書きが書かれている看板が建てられています。
特にこの時期は風がちょっとでも吹いたら登山口が閉鎖されてしまうほど、危ない「岩登り」なのです。
危険だということが強調されて書かれていますが、私としてはこれは、聖地として登山することはタブーとされている原住民の気持ちも組んで書かれているものだと考えてます。
エアーズロックのその名のとおり、これは巨大な岩なのです。
にもかかわらず窪みに溜まったわずかの水と砂を利用して草が生えていました。たくましいなぁ。
山の上から眺めた景色はとても広大で、まさに絶景でした。
綺麗に地平線が見渡せます。
右のほうに写っているのがカタジュタです。
とまぁここまで読んでると、けっこう優雅に登山を楽しんでいるように見えるかもしれません。
が!そんな甘いもんじゃなかったんです。
ただの岩なので風を遮るものがもちろんなくて、それこそ飛ばされそうな強風が常に吹き付けます。
途中までは平均45度の傾斜のエンドレス。スキーの上級者コースの傾斜です。
頼るものは1本の鎖だけ。足ふみ外したら簡単に転げ落ちそうでした。
傾斜がなだらかになってきたかと思ったら今度はその鎖すらなくなり、頼りは登山ルートを示す白線のみ。
そしてこれ↓です。
もうこ最初にこのルートを選んだエライ人は何を考えているんだと真剣に思いましたね。
まぁただの岩を登っているんだからどんな道にも文句を言ってはいられないな。
そして登り始めて1時間足らずで、山頂に到着……!
山頂にぽつんと置かれている方位盤。
たった一時間程度ですが、これで努力が報われたような気がします。
ここで朝食にもらった青りんごを食べましたが、今までに食べたもので一番美味しかったんじゃないかと思いました。
世界の中心で青りんごを食べる(笑)
登りの時の苦労がアホらしくなるほど、降りは楽しく進むことが出来ました。
そして完全に下山。
登山口がしまってましたorz
麓でちょっとでも風が吹いてたら上では強風になるのでしょっちゅう閉鎖するみたいです。
あぁ。。。やっぱり風、強かったのね。。。。。
と、まぁこんな感じのウルル登山でした。
時間が余ったので少しだけ麓の見学。
原住民が描いた壁画。落書きのようなものが書いてあったが、これは子供にいろいろなことを教えるための黒板として機能していたものらしい。
ロックウェーブ。ウルルの一部が、波の形に抉られている部分がある。
原住民がここに住んでいたとき、ここで会議が行われていたらしい。
そしてこの岩の側面にある少し出っ張っているところ、ここに歴代の族長の魂が腰掛けていると言われているらしい。
と、まぁこんな感じですかね。
他にも女性の(安産とかの)聖地と呼ばれるところとかもあったけどそこは撮影禁止だったので紹介だけしとく。
今回の旅は、身体も財布も痛かったけど、ここでしか出来ない大変貴重な経験が出来た。
世界って、広いなーと感じたいい旅でした。
そして、風の影響を全く受けない春花が羨ましく感じた旅でしたとさ。
めでたしめでたし。